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庄内浜春の魚

サクラマス

サクラマスは、サクラの咲く頃に、川にそ上し、川や海に春を告げる魚として、県内では沿岸や河川で漁獲されるため、平成4年「山形県の魚」に制定されました。
サクラマスは、「銀マス」、「本ます」あるいは「川ます」等と呼ばれています。
旬は4月から5月で体重2kg前後となり、ます類の中で最も美味とされています。

タイ

タイは、その姿と味から「魚の王様」と言われ、広く親しまれています。また、「めでタイ」とも言われお祝い事には欠かせない魚となっています。身は白身で変質しにくく、味も淡白です。
体長1mにも達しますが、通常は50cm以下のものが多く、水深50m前後の岩礁 域や周辺の砂泥底に多く生息し、水深200mまで季節的な深浅移動を行い、春から冬にかけて漁獲されています。

口細カレイ

標準和名はマガレイ。口元が細く小さいため口細カレイと呼ばれています。
水深30~150mの砂泥または岩礁地帯に生息し、底曳網、刺網などで漁獲されます。
春が産卵期で塩焼きが最良で美味です。

アワビ

アワビは最近、大きいものも少なくなり、高級化する一方であり、高価で取引されています。
沿岸の岩礁域で生息し、夜行性で昼間は岩の下におり、あまり大きな移動はしません。
船上からカギを用いて掻き取る漁法か潜水で獲られており、毎年、放流も行なっています。
生はアワビ独特の歯ごたえがありますが、火を通すと軟らかくなり、特有の旨みが出ます。

キス

体は細長く、肌色に近い淡黄色で、浅海域の砂泥底に群れをつくって生息しています。
刺網、底曳網、定置網などで漁獲されるほか、釣りの対象としても人気があります。
透き通るような白身でさっぱりした味ですが、天ぷらの種としては高級品で、刺身、塩焼きにしてもおいしい魚です。

イワガキ

栄養に富むカキは「海のミルク」とも呼ばれています。夏場に食することのできる天然のイワガキは珍重され数も少ないことから近年、特産品として脚光を浴びています。
特に、産卵期の夏場は食中毒が発生しやすく鮮度には注意が必要です。
生で食べるときは、酢、酢醤油、ぽん酢、レモンなどをかけて食べます。このほかカキフライなどがお薦めです。

スルメイカ

名前の由来は、スルメに多く用いられたからという説があり、イカ釣漁船が集魚灯で釣る漁火は夏の風物詩になっています。
身は柔らかく刺身が一番ですが、煮物や焼いてもおいしく、また、身の中にモチ米を入れた「イカ飯」も人気があります。

クルマエビ

体を曲げたときの縞模様が、あたかも車輪のスポ-クのように見えることからこの名がついたものと言われています。
イセエビと二分するように食材としての人気が高く、高値で取引されており、主に刺網で漁獲されています。
刺身や鮨種にして賞味されることが多いのですが、丸のまま塩焼き、天ぷら、フライ、鍋物の具にしても美味です。

メバル

名前の由来は、目がパッチリと飛び出しそうなためです。棲んでいる環境によって体の色が黒っぽいものから白っぽいもの、赤っぽいものまで変化に富んでいます。
沿岸の岩礁域や藻場で単独または数尾、時には群れをつくって生息し、じっと浮いていることが多いのが特徴です。
主に一本釣漁業で漁獲されるほか釣りの人気も高くなっています。
白身で身が締まっており、淡白な味で、刺身や塩焼き、煮物が好まれています。

マコガレイ

庄内地方では、ネサシ、モクガレイとも呼ばれています。水深30~150mの砂泥または岩礁帯に生息し、刺網や底曳網で漁獲されており、煮付けや唐揚げで食べると美味です。

ハタハタ

魚偏に「雷」の字が充てられているのは、ハタハタは産卵のため天気が崩れ海が荒れると雷鳴とともに岸によってくるためで、また、魚偏に「神」という字を充てるのは、うろこの模様が富士山のようにおめでたいからと言われています。
秋田県の特産品として有名ですが、本県では主に底曳網で漁獲されており、庄内地方では昔から大衆魚として人気が高いのですが、近年では漁獲量も少なく大衆魚から高級魚となり、高値で取引されています。
ハタハタの卵は「ブリコ」と呼ばれ、産卵期は脂がのって特においしく、白身でさっぱりとした味で、素焼きや湯上げにして素醤油でもおいしく、生のまま鍋物などに入れて食べられています。

アマエビ

標準和名は「ホッコクアカエビ」というが、一般には体の色が赤いので、ナンバンエビ、ベニエビ、アカエビとも呼ばれています。
底曳網で漁獲されていますが、鮮度低下が早く、すぐに身が白濁しやすいのが特徴です。
透明感のある新鮮なものの刺身は、甘味と特有のとろみがあり、本当に美味です。

サケ

「アキアジ」は秋に獲れるものを指しますが、「トキシラズ」は秋に獲れるはずのサケが5~6月に獲れることからこのように呼ばれています。東北地方では正月を迎える魚としてサケは必需品で、縄を口に通して干した塩鮭を新巻鮭といい、冬の保存食として人気が高く、川で生まれ、約半年後には川を下り海に出て約4年前後で成魚となり母川回帰を果たすのが特徴です。主に定置網で漁獲されています。
サケの卵はイクラとして人気が高く、生の切り身は塩焼き、照り焼き、粕漬けにして焼いたりムニエル、ホイル焼き、酒・ワイン蒸し、ステ-キ、フライなどいろいろな料理に向き、野外では、ちゃんちゃん焼きも趣があります。また、えら以外の内臓や頭、骨までが鍋物として利用できます。

ワタリガニ

名前の由来は、夜、海を渡り歩くことからついたもので、常に群れをなして棲み、河口に近い海や内湾などの砂底に多く生息しています。
カニの種類の中では、身が少ないが、柔らかくてしっとりとした甘味があり、卵巣、みそは味が良いので珍重され、殻からでるうまみも利用してぶつ切りにして鍋物や味噌汁に適しています。

アンコウ

深海魚で、海底にじっとしており、ほとんど泳がず、ミミズ状に変化した背びれをユラユラゆらして誘われてきた小魚をパクリと食べる「釣り」をする魚です。また、体のほとんどが頭というか顔であり、そのほとんどが口となっています。名前の由来は、海底に寝そべり餌待ちをする安康(太平無事)な暮らしぶりから付けられたという説があります。主に底曳網漁業で漁獲されています。
体は、粘膜で覆われているため、調理方法ではつるし切りが有名です。身は白身で淡白、特にキモがおいしく冬の鍋物として珍重されています。

タラ

魚偏に雪と書くのは、初雪の後に獲れだすからで、「たらふく食う」は文字通りタラの腹のようになるまで食べる様子を表しています。
タラは、冬期に浅場で産卵し、夏期に深場へ移動します。主に底曳網や延縄で漁獲されます。
鮮魚としての旬は冬で、特に厳冬期が美味です。白身で特有の光沢があり、淡白な味は和食だけでなく洋風料理にも合います。身はくずれやすいので、塩焼きにしたり、さっと煮付けたり、味噌漬や粕漬けにしたものを焼いてもよく、卵や白子といっしょに鍋物にします。
特に、庄内地方では、頭や骨、内臓を入れた味噌仕立ての「どんがら汁」を食べる風習があり、寒鱈汁として有名になっています。

ヤリイカ

ヤリイカは、胴の形が槍のようであるため付いた名前で、寿命は約1年とされています。オスは胴長30cmと大きく、メスは20cm位 で小さい。
秋以降、底びき網で獲れ始め、年末にかけてだんだん大きくなる。釣りは1から3月にかけ、サメの肉を塩蔵したものを餌にして釣ります。
皮がむきやすく、オスは刺身、メスは煮物として多く調理されています。